新着情報:坂城町国際交流協会
 

「坂城町と私」

ページ4、No. 24
2004 年11月
坂城町役場商工課内


 


株式会社 鴨

代表取締役 紀井奈 栗守
        (Christopher R. Keener)

私が初めて坂城町に来たのは15年程前です。大学院在学中、博士論文を書く為に当時法政大学の教授であった清成先生(現学長)にご相談したところ、私の研究に適した所は「全国で一つしかない。」と「坂城町」をご紹介いただきました。

私は人類学者として坂城の中小企業の発展をテーマに研究を行おうと考えており、坂城町の商工会に研究の目的をご説明したところ快く協力して下さるとのお返事をいただきました。私としては1年間位かけて坂城町に滞在し、企業をまわって研究することを想像していたのですが、商工会の方はそれまで坂城町を訪れた研究者への対応の経験から1週間程滞在してあとは資料を持って帰るのだろうと考えておられていたようで、私が希望していた中小企業を経営されている家々への訪問はこの時点では不可能となりました。

いったん資料を持って東京へ戻りましたが、どうしても長く滞在したかった私の意向を受け入れていただきとりあえず1ヶ月程度ならということで、当時の商工会の局長さん宅に滞在させていただくことになりました。その後は、事務局の方のお取り計らいで北日名に1年間お世話になることができたのです。

ほぼ1年後研究は終了し、そしていろいろな経営者や設立者の方々のお話を聞きながら、自分で企業を起こしたいという子供の頃の夢を思い出しそれをここ坂城町で実現することができたらいいなと思ったのです。

そして、大学院へ戻り博士論文を完成させた後、滞在中に出会った方々のご協力もあり、坂城町の隣にある当時の上山田町で会社を設立することができ、ようやく昨年の9月には坂城のB.I プラザに会社を移転させることができました。

坂城町の産業はものづくりが中心ですが、弊社は新しいかたちのコンサルタント会社です。特に日米交流においてハイテク産業での細かい技術の話があった場合のサポートをさせていただく業務を行っております。まだ田舎では理解され難い仕事かもしれません。

現在の取引先はほとんどが海外と県外ですが、将来的には県内や町内でもお役に立つことができれば幸いに思っております。

坂城町は工業と農業のバランスがとてもよいと感じます。家の隣に畑や田んぼがあり、またその隣には工場があります。そして山や川、自然も豊富に残されているというすばらしい環境の町だと思います。

坂城町は私が在学していた大学院があるアメリカのカリフォルニア州バークレー市の地形によく似ています。坂城町は住宅のほとんどが平地に建てられているという印象があります。同市は坂城町のように平地と山がありますが、その両方に住宅街があります。そしてどちらかといえば斜面の景色のよい所が高級住宅地になっています。坂城町は田んぼや畑がありその近くに家を建てるという傾向があったのだと思いますが、これからは平地だけではなくもっと斜面を利用した生活環境が実現できればすばらしいと思います。

アメリカ人の私の目から見ると、日本の町や村では義理や人情からどうしてもやらなければならない役割や仕事が多いようにも感じます。これは若者が町や村から離れて行く原因にもつながるのではないでしょうか。 又、町や村の問題として外から来た人を認めない、受け入れにくいといった傾向を感じます。これからは外から来た人をもっと受け入れやすい町になってほしいと願っています。

後継者だから、長男だからということで坂城町に戻ってくる、定住するということではなく、町外の人にも坂城町に住みたいと思われるような環境づくりが必要になってきているのではないでしょうか。

 
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